黒服 「本日入店のあゆさんです。
皆さん、仲良くしてくださいね。
特に、年配のホステスの方、面倒みてあげてくださいね。
決していじめちゃいけませんよぉ。
年寄りの嫉妬ほど汚いものはありませんからねぇ。」
銀娘 {オイ オイ オイ! 年寄りってどうゆう事だよ!失礼な! ねぇ、皆さぁん・・・。
って どう見てもこの店の中で年寄りって 私しかいないじゃないのよ!}
「今日からお世話になることになりました、あゆですぅ。22才になったばかりでぇす。」
銀娘 {だぁ かぁ らぁ、 歳は言わなくていいっつうの! いちいち気にさわるわね!}
「私、芸能人でよく浜崎あゆみに似てるっていわれるんです。」
銀娘 {源氏名、まんまじゃねぇかよ!おまえの本名絶対、絶対つきとめてやるからな!
どうせ、のぶ子か、よし子ってとこだろ!}
「で、本名は白鳥レイカと言いまぁす。」
銀娘 「・・・・・・・・・。」
「でも私、自分では浜崎あゆみっていうより、
あゆと、ゆっきーなと松島奈々子をたして2をかけたって感じかな。って思ってるんです。」
銀娘 {なんじゃぁい!普通 割るでしょー。とにかく割るでしょー。2かけちゃダメでしょー。}
{こいつ、絶対自分の事カワイイと思ってる・・・。
何が何でも自分が一番カワイイと思ってる・・・。
誰に何を言われようと、自分がカワイイと思ってる・・・。
雨が降ろうがやりが降ろうが、自分がカワイイと思ってる・・・。
そう思い込んでいる生き物がこの私以外にこの東京に生存していたなんて・・・。
敵は結構手強いかもしれないわ。
きっと、好きな言葉は思い込みと勘違いよね。}
「よろしくお願いしまぁす!」
黒服 「んじゃ、今日はカワイイあゆちゃんはブッサイクな銀娘さんのお席、お願いしますね。」
「はぁい。」
銀娘 「ちょ、ちょ、ちょっと待ってちょうだいよ。
私のお客様のお席っていったって新人のあの子の面倒なんて見れないわよ。
何で私があの勘違い女のお世話をしなくちゃいけないわけ?
それに、私より可愛くて若い女は基本的に嫌いなのよ。
だいたいねぇ、私のお客様があんな小娘の接客で喜ぶはずがないわ。」
そ し て・・・
銀娘「あらぁ、はーさん。いらっしゃぁい。今日はおそろいで・・。」
「おや、おや、新人さんか!さっ、こっち。こっち!
若くてピチピチしてるねぇ。
おじさん、君みたいな子と話がしたくて銀座に来てるんだよ。」
銀娘 {大喜びじゃねぇかよ!}
「あゆでぇす。22才でぇす」
銀娘 {だぁ、かぁ、らぁ、歳の話をするな!っつうの!}
「あゆちゃん、22才なんだぁ。カッワイイなぁ。」
銀娘 (やっぱそこ食いつくかぁ・・・)
「あゆちゃんってなんか、浜崎あゆみに似てない??」
「あっ、よく言われるんですけどぉ、自分ではぁ・・・・」
銀娘{言うなよ、言うなよ、絶対言うなよ!}
「あゆとゆっきーなと、松島奈々子と柴崎コウをたして4をかけた感じかな。って思ってます。」
銀娘 {言っちゃった。しかも柴崎コウ増えてるし。
4かけてるし・・・。
カワイイアピール倍になってるし。}
「だよねぇ。あゆちゃんカワイイもんねぇ。
4かけるってゆうよりさ、500とか、1000とか、いやいや、億とか、かけた感じだよな。」
銀娘 {ぉ、ぉ、億?
どんだけかわいいんだよ!
おまえら、バカかぁ!醤油でもかけとけ!
もしくはそのハゲ頭にふりかけでもかけておきなさいよ!}
「でさ、でさ、やっぱりあゆちゃんって、名前もかわいいよなぁ。」
銀娘 「ん”ん”ん”っ!」
「あっ!銀ちゃん、銀ちゃんもかわいいよぉ。
でも、あゆちゃんがあんまりかわいいからさ、銀ちゃんの事ぜーんぜん見えなかったよ。
てか、早くこの席から消えてほしいと思ってたよ。
だけど、新人さんをいじめちゃいけないよ。年寄りの嫉妬ほど汚いものはないからねぇ。
でも、この子があゆなら銀ちゃんはイワナってとこかな。
っていうより、フナかぁ。はははっ。!」
「でさ二人の好きな言葉って何?」
あゆ 「思い込みと勘違いです!」
銀娘 「思い込みと勘違いです!」
銀娘{やっぱり・・・・・。}