2009年04月09日

バーキン

「がはははぁ。」

「もう、やだぁ。すーさんったらぁ。」

「なんだよ。ママ。がははははぁ。」

今日もママのお客様のすーさんの豪快なこと。

「がはははっははははぁ。」

「そうだ、ママ。来週 海外に出張なんだよ。お土産は何がいい?」

「あらぁ、すーさんたら優しいのねぇ」
「そうねぇ。やっぱりエルメスのバッグがいいかしら。」

と、さらりと言ってのけるママ。

すーさんはママに優しいかもしれないが、ママはすーさんに全然優しくない。
と、いうか、容赦しない。よくあるホステスとお客様の関係。
流石 銀座の女。

「そうか、そうか、バッグだな。ほんとにおまえには敵わないよ。があっははははぁ。」

そして、ママがこっそり私に耳打ちした。

「銀ちゃんの分も頼んでおいてあげるわね」

「まっ まっ マジっすかぁ!?エルメスってエルメスですよねぇ!?」
「あの、うまうまうままままっまぁの??エルメス?」

銀座で働いているからには 夢にまでみたエルメス。
ケリーかな。もしかして、バーキン??
色は何色かしら?
どちらにしても 豪華商品獲得。
銀座で働いててよかったぁ。
ママ ありがとう。ウルウル。

   数週間後・・・・

「がはっははっははっはぁ。」

「もう、すーさんたらぁ。」

なんだか 今日はいつもよりママの機嫌がいい。

「約束の お・み・や・げだよ。」
「おい。おい。このバッグ随分高かったぞォ。がははっははぁ。」

「あらぁ。私とデートするんなら これ位 お安いでしょ。すーさん黒ハート今度はお着物がほしいわぁ。」

やっぱり すげー 女だ。

「いいよ。いいよ。着物でも何でも買ってあげるよ。でも、着物の次は水着だよぉお。がははっははは」

「あらぁ やだぁ。じゃ、ダイアの水着にしてねぇ。」

この二人どんな会話してんだ?
でも、んなこたぁどうでもいいわ。私もエルメスにあやかれるのなら・・・。
夢にまで見たエルメスですもの・・・。
そのエルメスが今日、とうとう私の手に・・・。

「そうだ、そうだ、銀ちゃん、君の分もってママにねだられちゃったからな。」
と、すーさん、徐に袋をだして・・・・。

  ついに感激の瞬間。


えええええつつつっっッッ??

どう見てもただのポーチ?
っていうか、ポーチというよりどちらかというとポチぶくろにちかい??
っていうか、布袋?
正確にいうと巾着袋?

でも、書いてある。
確かに書いてある。
ブランド名が書いてある。







   エ ・ ロ ・ メ ・ ス



「がははっはっはっはっはぁぁっッッ」

「あらぁ。銀ちゃんにはぴったりねぇ。お似合いよォ。これじゃ、バーキンじゃなくって 罰金ねぇ。ウフフフフゥゥ。」


こんなに期待させといて!
おまえが罰金だろ!!












posted by 銀娘 at 00:42| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2009年04月03日

かえるのうた

銀座の帰り道。

「ふぅ。今日も疲れたわ。たまには 気晴らしでもしたいわね。」

並木通りをとぼとぼ。

と、そこへ 誰かが私に声をかけた・・・。
「ギンコォー!」

銀娘 「えっッ?」

「ギンコー。キコエナイノカ?オマエェー!。」

銀娘 「ん?どこかで聞いた声? っていうか、どこかで聞いたこのイントネーション?っていうか、このたどたどしい日本語?」

「ヤパリ ギンコダナ。オマエ ギンジャデ ナニシテル?」
「¥ユキチ¥ イッパイ モラタカ?」

銀娘 「・・・・・」

「オマエ マタ ヒマカ?」
「ワスレタカ?ジュンコダヨ。」

悪い予感は的中した。

銀娘 「あっ。あの時の派遣。確か最悪の・・・。忘れるわけねーだろ。私のお客様のお席を台無しにした、国籍不明の派遣ホステスのジュンコ、マサコ、ミチコ。だ」

「ギンコォ、ワタシタチ、ナマエ カワタヨ。ジュンコ、マサコ、モモコダヨ。」

銀娘 「っだ、だ、だぁ、 かぁ、 らぁ。 じゅんこ、まさこ と、きたら、ももこじゃなくて、ももえだろ!それじゃあ、名前変えても全然意味ねーだろが!日本の心がわかってないわね!」

「ニホンノココロ?」

銀娘 「そうよ。あなた達、もう少し日本のことを勉強してから銀座に出てきなさいよ。」

「ニホンノココロ。 ワカルヨ。カラオケ。 カラオケ。」

「カラオケかぁ・・・。」

銀娘 「そうね。ちょうど、私も気晴らしがしたいと思っていたところだし、歌なら万国共通よね。じゃ、少しだけよ。」

変なノリでカラオケボックスへ。

「ギンコ、ニホンノウタ オシエテクダサイ。」

あら、謙虚なとこもあるじゃない。そうね・・・。
簡単な唄がいいわね。
そうだ。せっかく三人いるんだから、「かえるのうた」がいいわ。
「いいこと!これは輪唱と言って順番に歌を歌っていくとっても楽しい歌よ。日本の子供達は皆歌えるのよ。」

「ダイジョブ。ダイジョブ。」

「¥ユキチ¥ ダイスキ!」

銀娘 「じゃ、私の後について歌ってみて。いくわよー!」

銀娘 「るんるんかえるのうたがーるんるんきこえてるんるんくるよーるんるんはいっ!」

るんるんカエルノタマゴーるんるんアマクテ オイシーるんるんるんるん

銀娘 「かえるのうたがるんるんきこえて くるよーるんるんはいっ。」

るんるんカエルノタマゴ アマクテ オイシーるんるん

銀娘 「・・・・・・・」

銀娘 「おねがい。もう、ひとりにして・・・・」


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